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3回目のスピーチコンテスト [こどもがらみ]

朝イチで再度お医者様に行って検査したら、インフルエンザBでした。
というわけで、今週いっぱい仕事を休まねば。
昨日からつらつらとオバマ新大統領の就任式からパレードを観ている。
何度も引き合いに出されているキング牧師の演説を、先週、娘が年に一度のコンテストで使った。

 

今回は今までの12月ではなく1月開催。

昨年同様「出たくないなあ・・・」とアピールする娘。
もちろんそんなの却下。

4年生の娘は4~6年生の高学年レベルに入るので、今年のお題はちょっと難しい気がした。

マーティン・ルーサー・キングJr.牧師の演説からの一部。


I have a dream
that one day on the red hills of Georgia,
the sons of former slaves and the son of former slaveowners
will be able to sit down together at the table of brotherhood.

I have a dream
that one day even the state of Mississippi,
a state sweltering with the heat of injustice,
sweltering with the heat of oppression
will be transformed into an oasis of freedom and justice.


私には夢がある。
いつの日か、ジョージア州の赤土の丘の上で、かつての奴隷の息子たちと、かつての奴隷主の息子たちとが
兄弟愛という名のテーブルにつくことを。
私には夢がある。
いつの日か、あのミシシッピー州でさえも・・・。
不正の熱でうだるような、圧制の熱に焼け付かんばかりのあの州でさえもが
自由と正義のオアシスに生まれ変わるということを。


3週間がんばって、本番でもノーミスでスピーチできた。
前回は蚊の鳴くような声だったが、ちゃんと声も大きくはっきり言えたので、褒めた。
難を言えば、表現力にもうちょっと工夫があればと思うが、
来年はそれもクリアしてくれるだろう。

というのも、今回も模範演技として某スピーチコンテストで優勝した中学生のお姉ちゃんが
しゃべるのを聞いた娘が、心底感心していたからだ。
留学経験もなく、親が外国人なわけでもないお姉ちゃんが、
ネイティブと間違われるという流暢な英語と、スピーチとして聴衆に語りかけるそのテクニックに
今年もいい刺激を受けたようだ。

お姉ちゃんのスピーチは、お題として与えられたものではなく、
そのお姉ちゃん自身が書き下ろしたもので、
フェアトレードについてだった。
「チャーリーとチョコレート工場」の話から始まり、そこらへんは娘もわかったらしいが、
本題のフェアトレードが理解できなかったようで、
帰りの車中「フェアなんとかって何?」と尋ねられた。

なかなか難しいけど、チョコレートを食べたことはおろか、見たこともない子供たちの労働で
娘がチョコレートを食べていることはわかってもらえたと思う。



スピーチを練習し始めたとき、まずこの演説について娘に話して聞かせた。
ところが、「不正」「圧制」などはもちろん「奴隷」もよくわかってなくて、
まずそこからの説明が必要だった。

「なんで?なんでアフリカ系の人が奴隷なの?」
「どうして白人の人だけは奴隷にならないの?」
「どうしてアフリカ系の人が乗ったらいけないバスとか入ったらいけないお店があったの?」

娘が観ているアメリカのドラマでも普通に人種はいろいろ出てきて仲がいいから
ピンとこないらしかった。

「今はもうないんでしょう?ジンシュサベツって。」

あるんだな・・・これが。

私が好きなドラマ、「HOUSE」でもこんなシーンがあった。
病院が舞台なのだが、ハウスの部下の一人がアフリカ系で、ある日診ようとしたアフリカ系の年配の女性に
「診てもらうのはやっぱり白人の医者がいいの。替わってもらえる?」
と言われるのだ。

「でもそれって変でしょ?」
子供は単純明快だなあ。

「ナニ人かとか肌の色がどうとか、その人の価値とは関係ないんだけどね」
こう答えるのが精一杯で。
いずれ成長に合わせていろいろ学んでいってほしいと思う。


*****************************************************************************************

スピーチにはもうひとつ候補があって、私はこっちがとても気に入って、座右の銘にしたいくらいだ。
それは、19世紀のアメリカの思想家ラルフ・エマーソンの「成功」という詩。

Success
To laugh often and much;
To win the respect of intelligent people and the affection of children;
To earn the appreciation of honest critics and endure the betrayel of false friends;
To appreciate beauty, to find the best in others;
To leave the world a bit better, whether by healthy child, a garden patch or a redeemed social condition;
To know even on life has breathed easier because you have lived.
This is to have succeeded.

成功とは
しょっちゅうよく笑うこと。
聡明な人からの尊敬と、子供たちからの愛情を得ること。
偽りのない批評家に認められ、偽りの友の裏切りに耐えること。
美しいものを讃え、他人のよいところを見出すこと。
少しでも世の中をよくしてこの世を去ること、健やかな子供を育てたり、庭を手入れしたり、社会状況を改善することでもよい。
たった一人でも あなたが生きていることで心が安らいだ人がいるということを知ること。
これこそが成功したということである。



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コメント 8

圭

中高の英語の時間、何かといえば「暗誦」させる先生がいらっしゃいました。
韻を踏んだ美しい詩もありましたが、なんじゃこりゃ??みたいなお説教くさいスピーチもありました。できるだけネイティブに近い発音と発声、間のとりかたなどを真似て練習するにつれて、そこに書かれてあること以外に、その頃の時代背景なども知りたいと思うようになりました。(今は忘れてしまっているけどね)
お嬢ちゃまはまだお小さいけれど、スピーチコンテストの回を重ねるごとに英語以外のものを英語を通して探求する気持ちが芽生えるかもしれませんね。

それにしても蓮花さんはなかなか教育熱心ですね。
by 圭 (2009-01-22 21:02) 

蓮花

>その頃の時代背景なども知りたいと思うようになりました。
それですそれです。私は娘にそういうふうになってもらいたいのです。
確かに英語の暗誦をすれば「英語」の勉強にはなるでしょう。
でも、「英語」そのものより、そこに書かれていること、その背景に興味を持ってほしいのです。

私が教育熱心?(笑)
つきっきりで勉強を見ている親御さんの話を聞くと、しゅーんとなってしまうんですよ、私。だってそんなのできないですもん。
それと、コンプレックスでもある「学の無さ」。
そのせいか、自分が知っていることはすべて教えたい、知らないことは娘と一緒に調べて学びたいというスタンスで常にいるようにしています。
まだまだ知らないことや、面白いことがたくさんありますからね~。

by 蓮花 (2009-01-22 22:09) 

ようようやまちゃん

蓮花さん、インフルエンザですか。
どうぞお大事になさってください。
お子さんにうつっていなければいいですね。

暗唱もとても大事なことだと思います。
そのうち、言い回し、リズムのみならず、ことばやその背景も
自分のものになるでしょうから。
by ようようやまちゃん (2009-01-22 22:57) 

蓮花

やまちゃんさん、あたしじゃないんですってば。
あたしはピンピンしてますのよ。
娘がBなんです。
やまちゃんさんちは奥様もお子さんもお元気ですか?

英語だけでなく、日本語でも声に出して読む音読ってのが頭にいいそうです。
それ用の学習帳も出ていますよ。http://www.amazon.co.jp/%E5%BE%B9%E5%BA%95%E5%8F%8D%E5%BE%A9%E9%9F%B3%E8%AA%AD%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%88%E2%80%95%E9%99%B0%E5%B1%B1%E3%83%A1%E3%82%BD%E3%83%83%E3%83%89-%E5%B0%8F%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E5%85%A8%E5%AD%A6%E5%B9%B4-%E6%95%99%E8%82%B2%E6%8A%80%E8%A1%93MOOK-%E9%99%B0%E5%B1%B1-%E8%8B%B1%E7%94%B7/dp/4091044751/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1232637535&sr=1-1


by 蓮花 (2009-01-23 00:20) 

ようようやまちゃん

これは失礼しました。お子さん、週末は元気に過ごせるといいですね。
我が家は何とか今のところ全員元気でありますが、昨年暮れも押し迫った頃、下の子が40度の発熱であわや病院でお正月!になるところでした。

本の紹介、ありがとうございました。音読をあまりしていないですね。
せいぜい絵本の読み聞かせ程度になってしまっています。
by ようようやまちゃん (2009-01-23 23:22) 

フロレスタン

す、すんません。マルティン・ルター・ケーニッヒ牧師の言葉の引用中の
in justice は injustice、oppresion は oppression の間違いですよね(^_^;)。

「アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない」(町山智浩著)というのを
一昨日あたりから読んでいて、キリスト教原理主義の固まりみたいな福音派のト
ンデモない連中のことが書いてあるわけです。でもって、昨晩、たまたまNHKの
BShiを見ていたら、BBC制作のアメリカの歴史ドキュメント!のような番組を
やっていて、そこに絶叫する白人牧師が登場するわけです。一方で迫害された黒人
の集まる教会の黒人牧師も出てくる。ああ、外に伝わってこないアメリカの内部
ってこうなのね、と知らされました。多分南北戦争の頃と何も変わっていないアメ
リカ(ないしアメリカ人)というのも根強く存在するのだと思いますね。

Can the United States really "change" under the leadership of the new president?

>>日本語でも声に出して読む音読ってのが頭にいいそうです

昔は漢文なんかを意味が分からなくてもひたすら読む「素読」というのがあった
のですよね。江戸時代の寺子屋なんかでやっていた。子供の時はわからなくても、
大人になった時に、ああ、あれはこういうことだったのか、となるらしいです。
門前の小僧習わぬ経を読む、も似たようなことかもしれません。
by フロレスタン (2009-01-24 03:04) 

蓮花

ようようやまちゃん、いまさらすみません!
やまちゃんさんちは、まだ読み聞かせでもいいんじゃないですかねえ。
うちの子にも長い間読んでやってました。   
今は自分で読んでますが、音読はこれからもさせたいと思ってます。

by 蓮花 (2009-03-08 12:38) 

蓮花

フロレスタンさん、ありがとうございます、と同時に、こんなのを長い間晒してたのが、超はずかし~~~!!!今、直しました!

町山さんの本は私も買って読んでますよ~。町山さん、大好きなんです。
彼のポッドキャストなどで、キリスト教原理主義が、日本人の想像以上にアメリカの大部分を占めていることを知りました。
だから、ブッシュが再選されたりしたんですよね。
科学を教えず、世界は神が作ったとマジで教えている学校やサマーキャンプがめっちゃ多いそうですね。
キング牧師の頃となんら変わってない州もあるわけで。

素読はなるべく小さいうちからさせたほうがよいのでしょうが、うちは完全に出遅れてしまいました。
今からやっても・・・遅いかな~・・・。




by 蓮花 (2009-03-08 13:00) 

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