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『ストロベリーナイト』 [読書]

甘酸っぱい、キュンってくる系の話ではなくて、
その真逆。

ストロベリーナイト (文芸)

ストロベリーナイト (文芸)

  • 作者: 誉田 哲也
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2006/02/22
  • メディア: 単行本



冒頭数ページで思わず口を押さえてしまう凄惨なシーンが登場し、
一転、のどかな場面、そして主人公姫川玲子の世界(警察)にすんなり引き込まれる。
ある猟奇殺人を追う29歳警部補の姫川とチームの面々、
激しい縄張り争いを繰り広げる、仲間とは言い難い警察関係者。

冒頭のシーンから続くと思われる場面と
姫川が事件を追う場面が交錯し、
その合間、姫川個人の過去と現在がちらりちらりと出現する。

30前後の女のたいへんさ、リアルだなあ。
親や親戚に結婚を急かされる描写がもう・・・。

姫川玲子と、裏主人公とも言えるもう一人の人物。
二人とも地獄を見た者同士である。
自らの非はないにもかかわらず、あらん限りの暴力を受け
心と体の両方に深い傷を負ったという共通項。
しかし、二人がその後、手錠をかける側とかけられる側に分かれたのは
本人の気質では決してなくて
どん底から引っ張りあげてくれた人がいたかどうか。


どん底に落ちたとき、一人で這い上がることができるかどうか、
それはやはり本人の気質も関係あるのかも知れない。
 
しかし、本当は周囲に、自分の支えになったり
後押ししてくれたり、さりげなく傍にいてくれたり、
そういう人がいるかどうかにかかっていると思う。
それは物理的に近い人とは限らず、
血縁者とも限らず、
それまでの自分の生き方でその存在の有無は決まるようにも思える。


                                    090909

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