今年読んだ本(2008) [読書]
借りたり買ったりで読んでとっても面白かったけど
記事にしていないものを覚書。
約30年に一度、ひとつの町が消滅する世界。
ごっそり物理的になくなるのではなく、厳密にはそこに住む人々が消滅するのだが、
その後、日本中からその消えた町の記録を消してしまうのだ。
だったらそこから逃げればいいじゃないかと思うのだが、消えるとされる町の人はそれを口に出さず、
そのままいつもどおり生活しなければならない。
そうしないと、他の町まで同じように連鎖で消滅してしまうから。
この奇妙な現象を研究し、対策を練る人々、
かつて大事なが消滅してしまった人々の群像劇。
舞台は日本だが、どこか違っていて、あきらかにパラレルワールド。
本の装丁が素晴らしい。
三崎亜記初の短編集。
ぞっとするような、くすりと笑えるような9つの短編。
設定自体がなんの説明もなく、パラレルワールドなのだが、
すんなりとそれぞれの世界に入って、登場人物のに感情移入できるのが不思議。
つっかけ王子に「重松清、面白いですよ」と教えてもらって以来、
それまで知らなかったこの作家の本を何か読みたいと思っていた。
私はいわゆるゲームの類はさっぱりなので、
この本の副題になっている「ロストオデッセイ」についてもまったく知らない。
重松さんにこの短編を書くように依頼したという坂口博信さんが、その「ロストオデッセイ」の製作総指揮者であり、
「ファイナルファンタジー」の生みの親であることも、もちろん知らず。
「ファイナルファンタジー」も、名前と、フルCGの映画が作られたこと、
王菲が日本語で主題歌を歌わされたことくらいしか知らないのだが、
有名なのはわかる。
主人公カイムは1000年を生きる不老不死の男。
表紙の男がカイムらしい。
この絵、どこかで見たような・・・と思ったら、バガボンドと同じ人が描いたそうだ。
ちなみに、わたくし、漫画にも疎く、バガボンドも名前と絵の感じしか知らない。
ちょっとガクトさんに似ているような・・・。
このカイムが一体何者でどこから来たのか、
なぜ不老不死なのか、同じような仲間はいないのか、
まったくわからない。
終わりのない旅をえんえんと続けていて、
訪れた場所での出来事が一編ずつのお話になっている。
もちろん時代もそれぞれ違うが、傭兵として数々の戦に身をおいていることが多い。
全編を通して、生と死が描かれていて、どちらかといえば悲しいお話が多い。
だからといって、くらーい気分で終わるだけではないところがすごい。
生きるとはどういうことか、
いずれ訪れる死についても、いやでも考えをめぐらせてしまう。
お話は、遠い世界あるいは遠い昔のものばかりではなく、
今のこの平和な日本でも起こりえる事を
まるでその情景がすぐ目の前で繰り広げられているように描いている。
読んでいる人間はそのお話の真っ只中に連れて行かれる。
どれも数ページの短編なのに、だ。
ショート・ムービーを観ているような気分。
読後感は最高。
読み始めたのが、ちょうどオバマさんとヒラリーが民主党代表の座を争っていた頃。
クリントンが新大統領となったとき、ヒラリーに請われてホワイトハウスの料理長になった筆者。
それまでホワイトハウスではフランス料理で晩餐会を開いていたが、
ヒラリーはそれをよしとせず、アメリカ料理のプロを15ヶ月も探したそうな。
アメリカ料理と言われても、ステーキ?ハンバーガー?としか思いつかない私だが、
アメリカの代表=ホワイトハウスがフレンチを出すのも、考えてみればおかしな話で、
アメリカン・コンテンポラリーにこだわって、海外のお客をもてなすことを
頑として譲らなかったヒラリーはやっぱり凄い人。
結局ブッシュ時代に料理長を降りることになるのだが、
このくだりを読んでいると、ブッシュとその嫁って、やっぱり好かん。
上下巻でゆうに1000ページを越す本であったが、特に下巻は1日で読み終えてしまった。
主人公である渡辺早季が1000年後の人類に充てて書いた手紙が、この2冊である。
手紙というか、自分の身に起きたことを早季が記している覚書のような。
舞台は日本であるが、現在ではなく、1000年後の日本。
1000年後の地球なら、恐ろしく科学が発達した、何もかもコンピューター制御されていて
まさにドラえもんの世界を創造しがちだが、まったく異なっている。
まず、日本の人口は数万人しかなく、
町は数えるほどで、それぞれの交流もほとんどない。
その「町」の周囲には、イメージでいうなら、立ち入り禁止のロープがぐるりとはりめぐらされていて、
ロープの外に出ることは固く禁じられている。
人々はそれぞれ呪力と呼ばれる超能力を持つ。
物体を念じることで動かしたり、物質の性質を変えたり、
その呪力は今の日本でいう小学校高学年くらいに突如身に付く。
その世界には人間以外の虫や動物がもちろん存在していて、
中でも比較的高等な知能を持つバケネズミは
独自の社会を持ち、人間に仕えていたり。
これは買っておこう。
記事にしていないものを覚書。
約30年に一度、ひとつの町が消滅する世界。
ごっそり物理的になくなるのではなく、厳密にはそこに住む人々が消滅するのだが、
その後、日本中からその消えた町の記録を消してしまうのだ。
だったらそこから逃げればいいじゃないかと思うのだが、消えるとされる町の人はそれを口に出さず、
そのままいつもどおり生活しなければならない。
そうしないと、他の町まで同じように連鎖で消滅してしまうから。
この奇妙な現象を研究し、対策を練る人々、
かつて大事なが消滅してしまった人々の群像劇。
舞台は日本だが、どこか違っていて、あきらかにパラレルワールド。
本の装丁が素晴らしい。
三崎亜記初の短編集。
ぞっとするような、くすりと笑えるような9つの短編。
設定自体がなんの説明もなく、パラレルワールドなのだが、
すんなりとそれぞれの世界に入って、登場人物のに感情移入できるのが不思議。
つっかけ王子に「重松清、面白いですよ」と教えてもらって以来、
それまで知らなかったこの作家の本を何か読みたいと思っていた。
私はいわゆるゲームの類はさっぱりなので、
この本の副題になっている「ロストオデッセイ」についてもまったく知らない。
重松さんにこの短編を書くように依頼したという坂口博信さんが、その「ロストオデッセイ」の製作総指揮者であり、
「ファイナルファンタジー」の生みの親であることも、もちろん知らず。
「ファイナルファンタジー」も、名前と、フルCGの映画が作られたこと、
王菲が日本語で主題歌を歌わされたことくらいしか知らないのだが、
有名なのはわかる。
主人公カイムは1000年を生きる不老不死の男。
表紙の男がカイムらしい。
この絵、どこかで見たような・・・と思ったら、バガボンドと同じ人が描いたそうだ。
ちなみに、わたくし、漫画にも疎く、バガボンドも名前と絵の感じしか知らない。
ちょっとガクトさんに似ているような・・・。
このカイムが一体何者でどこから来たのか、
なぜ不老不死なのか、同じような仲間はいないのか、
まったくわからない。
終わりのない旅をえんえんと続けていて、
訪れた場所での出来事が一編ずつのお話になっている。
もちろん時代もそれぞれ違うが、傭兵として数々の戦に身をおいていることが多い。
全編を通して、生と死が描かれていて、どちらかといえば悲しいお話が多い。
だからといって、くらーい気分で終わるだけではないところがすごい。
生きるとはどういうことか、
いずれ訪れる死についても、いやでも考えをめぐらせてしまう。
お話は、遠い世界あるいは遠い昔のものばかりではなく、
今のこの平和な日本でも起こりえる事を
まるでその情景がすぐ目の前で繰り広げられているように描いている。
読んでいる人間はそのお話の真っ只中に連れて行かれる。
どれも数ページの短編なのに、だ。
ショート・ムービーを観ているような気分。
読後感は最高。
読み始めたのが、ちょうどオバマさんとヒラリーが民主党代表の座を争っていた頃。
クリントンが新大統領となったとき、ヒラリーに請われてホワイトハウスの料理長になった筆者。
それまでホワイトハウスではフランス料理で晩餐会を開いていたが、
ヒラリーはそれをよしとせず、アメリカ料理のプロを15ヶ月も探したそうな。
アメリカ料理と言われても、ステーキ?ハンバーガー?としか思いつかない私だが、
アメリカの代表=ホワイトハウスがフレンチを出すのも、考えてみればおかしな話で、
アメリカン・コンテンポラリーにこだわって、海外のお客をもてなすことを
頑として譲らなかったヒラリーはやっぱり凄い人。
結局ブッシュ時代に料理長を降りることになるのだが、
このくだりを読んでいると、ブッシュとその嫁って、やっぱり好かん。
上下巻でゆうに1000ページを越す本であったが、特に下巻は1日で読み終えてしまった。
主人公である渡辺早季が1000年後の人類に充てて書いた手紙が、この2冊である。
手紙というか、自分の身に起きたことを早季が記している覚書のような。
舞台は日本であるが、現在ではなく、1000年後の日本。
1000年後の地球なら、恐ろしく科学が発達した、何もかもコンピューター制御されていて
まさにドラえもんの世界を創造しがちだが、まったく異なっている。
まず、日本の人口は数万人しかなく、
町は数えるほどで、それぞれの交流もほとんどない。
その「町」の周囲には、イメージでいうなら、立ち入り禁止のロープがぐるりとはりめぐらされていて、
ロープの外に出ることは固く禁じられている。
人々はそれぞれ呪力と呼ばれる超能力を持つ。
物体を念じることで動かしたり、物質の性質を変えたり、
その呪力は今の日本でいう小学校高学年くらいに突如身に付く。
その世界には人間以外の虫や動物がもちろん存在していて、
中でも比較的高等な知能を持つバケネズミは
独自の社会を持ち、人間に仕えていたり。
これは買っておこう。
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