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【アイ・アム・レジェンド】(I AM LEGEND) [映画]


仕事納めの前に観てきました、「アイ・アム・レジェンド」。
アメリカでは興行収入90億円突破というメガヒットとなったそうで。


リチャード・マシスンが50年代に書いた「吸血鬼/地球最後の男(I am legend)」が原作であり、
60年代と70年代に映画化され、これが3度目の映画化・・・というのは
どこにも書いてあるんだけど、あえて私も書く。

というのもこの偉大な原作小説では、
価値観・立場の逆転、主流だと思っていた自分が時代遅れになる恐怖、
今まで自分とは異なるもの、むしろ自分より劣っていると特に気にもしなかった者たちへの
理解などがベースであり、
それを踏まえて過去2度映画化され、それぞれがその時代背景を反映したものだった。
約30年ぶりにリメイクされたこの「アイ・アム・レジェンド」は、
21世紀の今、何をテーマにしているのか、それがとっても重要なのだ。


原作を読んだのはずいぶん昔で、というのも、ゾンビ映画が大好きだったのよね、私。
ロメロ監督の「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」を観て、これ以上怖い映画なんてないと
思ったうら若き乙女だった私は、
その元ネタとなったと言われるマシスンの原作を、確か図書館で見つけたように記憶している。
ただ細かいところはやっぱり覚えてなくて、
ちゃんと買って読み直そうと思う。

アイ・アム・レジェンド (ハヤカワ文庫 NV マ 6-5)

アイ・アム・レジェンド (ハヤカワ文庫 NV マ 6-5)

  • 作者: リチャード・マシスン
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2007/11/08
  • メディア: 文庫

 

で、映画ですが、これがねえ、終わった瞬間、消化不良を起こしそうに。
あの終わり方は・・・ダメだよ~。
当たり前すぎにまとめちゃって・・・。とほほ。

近未来。
人間が造ったウィルスで、地球上のほとんどの人間は死亡、
あるいは感染者として“人間”ではなくなってしまった。
妻と娘を亡くしたネヴィル博士(ウィル)は免疫学者。
愛犬サムだけが話相手の日々。
荒れ果てたニューヨークの街には野生動物以外に生気を感じるものは
何一つなく、
それでもAMの全周波数でどこかに生き残っているかもしれない“人間”に
メッセージを送り続けている。
家では昔のテレビ番組を再生してトレーニングしたり、
他人が住んでいたであろう家で、食料の缶詰を探したり、
マネキンを店員や客のように配置したレンタルショップでDVDを順に借り続けて、
たまには空母の上から豪快にゴルフ。
それでも底なしの孤独感に、さいなまれる。

これは怖い。
家族、友達、恋人がいない孤独とは異質のものだ。
普段私たちはまったくの静寂の中にいるわけではない。
まったくの他人が話す声、たてる音に囲まれていて、
しようと思えば誰かとコミュニケーションをとることは可能なのだから。
よく考えると、物理的に人間がいない中での孤独より、
大勢の中で感じる孤独のほうが問題かもしれないが。

しかも、そんな人恋しさを抱えながら、
夜になると、ウィルスに感染した、ゾンビのような吸血鬼のような
怪物たちから身を隠し、息を潜めて夜をやり過ごす。

そんな毎日の中、地下の研究室では人類を破滅に追いやったウィルスの
実験を続け、人類を復活させる一縷の望みに賭けている。


ウィルがねえ、科学者に見えないのが困ったもんです。
ウィル大好き、白衣萌えの私でも
ちょっとこれはいかんなと思う。


途中までは原作の筋どおり、というか、
ゾンビたちが、知恵を持ち、指揮官らしき者がいて、というシーンが描かれているのに、
それをラストにまったく繋げてないんですよねえ・・・。


あの親子の車もきれい過ぎだと思うし・・・。
だいたいあの親子が出てくるのも納得いかない。

トータル200日近く、人払いをして撮影したというニュー・ヨークの街は
ただひたすら不気味。
よくそんなに許可が下りたなあ。

で、この3作目の隠されたテーマなんですが、
それはウィルのセリフ
「ここがグラウンド・ゼロだ」
で、なんとなくわかり始めた。

わかってくると、
廃墟となったニュー・ヨークを赤いマスタングで縦横無尽に走り回るウィルが
今のアメリカそのものだとじわじわとわかってくる。

なんて皮肉なんだろう。
なのにあの終わり方。
もったいないなあ。
なんでも、公開直前に映画会社からNGが出て急遽ラストを取り直したそうですが、
ディレクターズ・カットで上映、あるいはDVDに収録してくれないかなあ。

がっかりはしたんだけど、
顔と体が大好きなウィルを観ている分には
すごく幸せだったわ~。
だって見終わったら、肩こりが治ってたもの。
いかに、ウィルを見ている間、筋弛緩状態だったかってことだね。






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