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ヴァンテーヌ休刊 [つれづれ《哀》]

なんで「休刊」って言うんだろうね。
休みじゃなくて、終わりなのに。

長年愛読していた雑誌が休刊した。
Vingtaine ヴァンテーヌ、である。

ヴァンサンカンの妹分として婦人画報社から発行されたのが、
18年前。
私もおそらく創刊直後から買い続けていた。
 
ヴァンサンカンが「25」、
ヴァンテーヌは「20代」という意味らしく、
対象は今の私よりうんと若いのだが、
その内容から、読むのをやめることはなかった。

それは、女性雑誌にありがちな、
雑然として、流行だけを追いかけるようなものではなく、
ひたすら上品であったからだ。

今ベストセラーとなっている「女性の品格」という本があるが、
まさにその雑誌版とでもいうべきものであった。

ファッション、美容だけでなく、
インテリア、旅、料理、
オフィスでの心得、
生き方など
時代と年代を超えた生活全般に対する指南書であった。
日本の伝統を知ること、
美意識を持つこと、
凛々しく生きること、
人生の先達から贈られる言葉、
まさに20代の女性すべてが読むべき雑誌、
いや、それ以上の世代にも、その内容は充分読み応えのあるものだった。

さらにそれらが、すべて実生活に活かすことのできる身近さもあったと思う。
例えば、ヴァンサンカンも美しいものに溢れているけれど、
あまりにも庶民の金銭感覚とずれていて、
眺めるにはいいけれど、で終わってしまうところが、
ヴァンテーヌとは大きな違いである。

美しい写真と、文章もまた魅力だった。
古い号を捨てるとき、きれいな写真のページを切り取り、
欲しがる娘にやった。
それは花であったり、花嫁さんだったり、風景だったり、
あるいは広告写真だったりした。

いろんなことをこの雑誌から学んだが、
特に、「小物と服をリンクさせる」などという言い回しは
ヴァンテーヌが初めてはなかったか。
靴やアクセサリー、巻物などの選び方・使い方などは
すごく刺激を受けたと思う。
また、和食器に興味が出たのもヴァンテーヌの影響だった。

数年前から定期購読していたヴァンテーヌであるが、
つい2ヶ月前、同封されていたお知らせに、
「休刊」の文字があった。

将来娘にも読ませたいと思っていた雑誌なだけに、
ショックは大きかった。

そしてついに最終号が来てしまった。
今の若い世代こそ読んでほしい雑誌がなくなってしまうことは
非常に残念である。
消費と軽さだけで、品のない雑誌がセンセーショナルに並ぶのは
大げさに聞こえるかもしれないが、
将来の不安を感じてしまう。

ぜひヴァンテーヌのような雑誌は今後また現れてほしいと
切に願う。
できればヴァンテーヌ、文字通り「休刊」したあと
復活してほしい。

返す返すも残念。

Vingtaine (ヴァンテーヌ) 2007年 12月号 [雑誌]

Vingtaine (ヴァンテーヌ) 2007年 12月号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: アシェット婦人画報社
  • 発売日: 2007/11/12
  • メディア: 雑誌






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コメント 4

フロレスタン

vingtがフランス語で20ですね。
vingt-cinq ansは25歳。
バイオリン曲に金婚式というのがありますが、あれは la cinquaintaine(サンカンテーヌ)です。

それにしても休刊といって復刊した雑誌というのは最近あるのでしょうかね(^_^;)。
by フロレスタン (2007-11-18 19:08) 

蓮花

>la cinquaintaine(サンカンテーヌ)
50・・・?
えーと・・・50周年・・・?
難しい(笑)

>休刊といって復刊した雑誌
ここ数年「休刊」した雑誌多いですけど、
復刊はないんじゃないでしょうか。
休刊といっても、ご挨拶は「お別れ」ですしねえ。
あー寂しい!
by 蓮花 (2007-11-18 20:37) 

Sho

たぶん蓮花さんにとっての「ヴァンテーヌ」が、自分にとっての「ミセス」かなあ・・と思って読ませていただきました。こちらは幸い休刊してはいませんが・・  思い入れのある雑誌、てありますよね。これ子供のころから母がずっと読んでいて。私も見ては、気に入ったものに丸印をつけたり、いろんなエッセイが心に響いたり、そこに出てくる暮らしにあこがれたり。

そういう雑誌って貴重ですよね。
休刊、残念でしたね。
by Sho (2007-11-19 22:47) 

蓮花

うちの母もミセス読んでました~。
小さい頃は大人の本だと思ってましたが、物心ついてからは憧れの対象でした。
私が高校生くらいからでしょうか、母はなぜかミセスから家庭画報に鞍替えしましたが、憧れの世界は変わりませんでした。
この大人の世界に、いつか私は踏み入れるのだろうかと想像したりもしましたが、悲しいかな、たどりつけてないような(苦笑)。

娘にもそういう機会を与えてやりたいですが、・・・難しいなあ。
by 蓮花 (2007-11-21 19:26) 

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