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のんちゃん [つれづれ《哀》]

出会いがあれば別れもある。
人生そんなもんだ。
先々週のことである。
育児休暇中の友人のんちゃんが会社に現れた。
その姿を見た瞬間、彼女の決意がわかってしまった。


彼女は10年少し勤めた仕事を辞めるのだ。
改めて彼女からそれを聞くと、予想以上にショックが押し寄せた。
我が社としても、優秀な彼女が退職するのは大きな損失である。

以前ここでも書いた未来ちゃんのママである。
うんと年下ではあるが、
以前の課で私より先輩であり、
かわいく、賢く、気立てのいいのんちゃんは
仕事を超えて付き合っていける大事な友人だ。
うちの娘も、生まれてからずっとかわいがってもらっている。

実は1年前、彼女から「仕事を辞めようと思う」というメールが来た。
そのメールには、生まれた赤ちゃんの病気(と言っていいのか)が分かり、
復帰せず退職しようと思っているという内容だった。
私は必死に引きとめた。

わが社はそこらへんの制度は進んでいて、
最長3年の育児休暇を取ることができる。
だから、なにも今、決めなくてもいいじゃないかと。

仕事を持つことで、子供とだけ向き合う息苦しさから解放される。
語弊があってはいけないが、これは私の実体験からである。
子供にずっとついていてやるのもいいのだろうけど、
特に子供に心配なことがあれば、自分がまいってしまう。
ほかの世界を持つことで、私は精神の安定が保てたように思うのだ。

そのメールには
誰にも相談できず、私に打ち明けたのが最初だとも書いてあった。
すでに出産後ほぼ1年が経過していた。
私は、元気にしているんだろう、忙しいんだろうなと勝手に思って
連絡を取らなかったことを後悔した。
彼女はどんなに辛い思いをしていたか、
遠く離れた街で、どれだけ悩んで、つらかっただろうかと
私の不義理を悔いた。

もうりっぱな大人だし、彼女の家族との話であるから、
私が口を出すことではないと、頭ではわかっていても、
それでも今辞めるべきではないと
私はそればかりを繰り返した。

そのせいかどうか、
彼女は退職せず育休を延長したのだった。
今の彼女の家は、うちからざっと80km離れたところにあるので
そうそう会うことはできない。
だけど、ほんとにときたまではあるが電話で話したり、
未来ちゃんと会いに来てくれたこともあった。
何度も手術に耐えているとは思えないほど、
未来ちゃんはしっかりと大きくなって、のんちゃんにそっくりな
その愛らしさと言ったら・・・。

そして1年近くたった今、彼女は決めたのだった。
あることがきっかけで、未来ちゃんのそばについていてやりたいと思ったのだそうだ。
ここには詳細を書かないが、
とにかく、のんちゃんが自分でそう思って決めたのだそうだ。

1年前とは明らかに違う彼女に、私ももう引き留めることはなかった。

彼女のことはよく知っている。
きっとこの先も大丈夫だろうと、それはわかる。
私にはわからない苦労があったとしても、
彼女なら乗り越えていけるだろう。
その点についてはなんの心配もしていない。

たださびしいだけ。

でもそんなこと、さびしいなんて言ってはいけないのだ。
それは私の勝手な思いであって、
わがままに過ぎないのだから。

もしこれから先、彼女が困ったり悩むことがあれば、
私は何だってやるつもりだ。
私にできることは限られているかもしれないが、
それでも私はこれからも 彼女の友人であり続けたいと思う。



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Sho

友情っていいものだなと思いました。
by Sho (2008-02-06 06:19) 

蓮花

ありがとうございます。
by 蓮花 (2008-02-06 19:19) 

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